ブラック校則の弊害とは


とんでも校則(ブラック校則)が問題となっています。これはたんに変な教師の問題でもなければ変な学校の問題でもありません。

これは、まさに人権の問題であり、また若者の自主性を損なうのです。そして、自民党のような政党が安定政権を保つ元凶となっています。

この問題の闇に迫ります。




1 ブラック校則は有害無益

執筆日時:

最終修正:

筆者:平児

「人権侵害に子供たちを慣らさせる」

それ以外に意味があるとは思えない。ブラック校則とかとんでも校則とか、呼ばれる学校の基則のことだ。

もちろん、教育の場であるからには、一定の制約は必要だろう。授業中に、他の生徒の学習を妨げるような行為や、他の生徒に対する“いじめ”や“カツアゲ”のようなことがあってはならないことは当然である。

しかし、子供の自主性を阻害するような校則や、教師たちの都合だけのための校則など、有害無益としか言いようがない。


2 かつての給食による人権侵害

最近では、さすがになくなったようだが、かつて子供たちに給食を残さずに食べさせるということが普通に行われていたことがあった。

もちろん、偏食は好ましくないので、一定の“食に対する教育”は必要だろう。だが、それは、無理矢理に、すべての子供に同じものを食べさせることではない。

子供たちの中には食の細い子や、大食の子がいる。それは当然のことである。

そのため、無理矢理に一定量を食べさせようとすることは、食の細い子にとって給食の時間を地獄に変えるのだ。酷いケースになると、給食の時間が終わって掃除の時間になっても食事を続けさせられたり、周囲の子のいじめの対象になることさえあったのだ。


このようなことは、ナチ政権下のドイツや、スターリン政権下のソ連でさえ行われていなかった。何をどれだけ食べるかということは、本来、人間がそれぞれに決めるべきことなのである。

無理に他人に対して一定の量、一定の物を食べさせるというのは、基本的な人権に対する侵害なのだ。しかも、そのようなことは、本人の健康にとって何の役にも立たない。

例えば、バナナの嫌いな子に無理にバナナを食べさせることに、どのような意味があるだろう。世の中には、バナナと同じ栄養価の食べ物はいくらでもあるのだ。


3 意味のない校則あれこれ

現代の日本において、信じがたいような校則が存在している。やや古いものもあるが、マスコミで話題になったもののうち、ほんの一部を紹介しよう。

  •  男女交際を禁ずる(違反したら自主退学を勧告)
  •  コロナでマスクが払底しているにも拘わらず、マスクは白以外禁止
  •  校内で防寒着の着用禁止
  •  髪の毛の色は黒のみ(生まれつき茶色の髪は黒に染める)
  •  ウエーブのパーマネント禁止(生まれつき縮れ毛場合はストレートパーマをかける)
  •  下着の色は白(女子の場合、女性教師がチェックするケースも)
  •  ポニーテール禁止
  •  父親や兄弟が相手であっても、男性と2人で街を歩かない

到底、意味があるとは思えないような校則ばかりである。男女交際について、禁止したくなる学校側の事情は分からないでもないが、きちんと教育を行った上で、生徒を信頼することができないものだろうか。

教室で防寒着着用禁止など、嫌がらせとしか思えない。教室の中で、寒くて震えていたら、勉強など身につかないだけだろうに。

また、下着の色は白以外禁止で教師がチェックすることは、セクハラ以前の重大な人権侵害だろう。他人に下着を見られることに子供たちを慣れさせて何になるというのだろうか。

さらには、ポニーテール禁止などまったく意味不明だし、父親と一緒に外を歩くななどと、父親と一緒に学校で必要なものを買いに行くこともできなくなってしまうだろう。


4 子供たちを人権侵害に慣れさせることのリスク

何よりも怖いことは、このような人権侵害に子供たちが慣れてしまうことだ。人権侵害の対象となっている子は、“上の人間”に逆らわずに生きることがよいことだと思い込んでしまう。また、周囲の子は、“上の人間”の言うことに従わない人間は“悪い奴”だという考え方が身についてしまう。

これが、政府が何をやっても、その政府を消極的に支持する大人を大量に育てたのではないだろうか。国民の多くが森友、加計、桜について、前安倍政権による公私混同だと考えている。また、多くの国民は憲法改悪など望んではいない。それなのに、戦後最低の政府がこれだけ長期政権を続けたのは、学校教育が根っこにあるのではないだろうか。

あいちトリエンナーレへの言論抑圧はなぜ起きたのだろう。安倍政権に逆らって、南京で虐殺が起きただの、旧日本軍が周辺国家の女性を性奴隷にしたなどという連中は“悪い奴”だがら排除してもよいという考え方も、根っこはここにあるのではないだろうか。

そればかりか、排外主義やヘイトの蔓延も、このような教育が生んだ弊害なのではないかとさえ思える。

このような、子供たちへの人権侵害は、ただちにやめさせるべきである。

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3月18日に以下のツイートを見つけたので、追記。共産党の議員の質問に荻生田氏が前向きの答弁。